【帰ってきたスイス時計コレクション】
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今回は「これぞスイス!」というものをお届けしてみたい。そう、スイスを代表するものと言えば「時計」、そして筆者の中では・・・
・・・昔からの読者の方はよく御存知のように、筆者は「日時計フェチ」である。これまでにもこんな過去記事たちでスイスの日時計を紹介してきたうえ、勢い余ってあのワシントンDCの記念塔まで日時計にしてしまい、一応の終焉を見た日時計コレクションなのだが、実はまたネタが溜まってきたのだ。今回は9ヶ月ぶりとなる日時計たちを堪能していただきたい。
もちろん、ラインフェルデンで見かけたこちらの機械時計にも味はある。
・・・だが、これら機械時計は壊れてしまえばそれでオシマイなのだ。壊れていたり電池が切れたりしていたことに気付かずに、時間を勘違いしてしまった経験は皆にもあるのではないか。それに較べて日時計の確かなこと。機構は単純な上に、太陽さえ照っていればまず間違いはないのである。
何をアホなことを・・・と思われた皆さん、精巧な腕時計産業が誇りのスイス人だって実は同じように考えているのだ。それを如実に示すのがラッパーズビルの時計たちである。
・・・ほれ、機械時計だけでは心許ないので、ちゃんとその下に正確無比な日時計まで設置されているではないか。ここでは機械時計は単なる脇役なのだ。よく考えてもらいたい。もし機械時計と日時計が違う時間を指していた場合、皆さんならどちらを信じるだろうか?太陽の運行に変化がない限り、やはり日時計を信用するのではないか??
このように、機械時計を遥かに凌駕する信頼性を持つ日時計たちだが、もう1つの魅力はそのデザインである。例えばエッグで見かけたこちらの日時計。
・・・機能性を重視した単純なデザインではあるが、それでも機械時計にはない味に満ちているではないか。
かと思えば、もっとアーティスティックなデザインの日時計もある。
・・・これはアッペンツェルで発見した日時計だが、そのデザインは荘厳な宗教画を思わせる。機械時計のように形が円にとらわれないという特徴が、日時計のデザイン性を飛躍的に自由にしているのだ。
よく考えてみると、我々は自然と時計の融合を楽しむ傾向にある。日時計とはまさに太陽光という自然と時計の融合なのだが、機械時計の場合でも「花時計」などを作って無理矢理に融合させてしまったりしているではないか。だが、真の「花時計」とは、やはりこうでなくてはいけないのだ。
・・・なんとなく花時計っぽい作りの花壇だが、どこにも機械時計の時針は見当たらない。それもそのはず、この花壇の中央に鎮座しているのは・・・
・・・まるで地球を連想させるお洒落な日時計なのだ。しかも平面式よりもより長く時間を表示できる半球形のタイプなのである。この中央の棒が指し示しているのはまさに「天の北極」なのでだ。花などの自然にはやはり自然を利用した日時計こそが似合う、そんな当たり前なことを示した素晴らしい作品と言えよう。
さて、今回最後に紹介したいのは、やはりクラシックなデザインの日時計である。
・・・ラインフェルデンで発見したこの日時計、時間だけでなくで影の長さから季節を推定できるカレンダー機能まで装備している。影の長さがちょうど中央の線上に来る春分・秋分のところには、左右にその時期に相当する「おひつじ座」と「てんびん座」の絵が、そして影が一番短くなる(太陽が一番低くなる)冬至の時期にあたる上部には「やぎ座」の絵が、そして影が一番長くなる夏至のところには、ちゃんと下に・・・
・・・い、いや、ちょっと待て。夏至の時期なら「かに座」のはずだ。でもこれ、どう見たって「えび」ではないか。うーむ、さすがに海のないスイス、「かに」と「えび」の区別もつかないのか。
ちなみにこの日時計コレクション、まだ「オーストリア編」と「英国編」が控えていたりするのである。乞う御期待!?
まぁ「ザリガニ」ということで勘弁しといてやるか、と思ってしまった心優しい筆者に、「相変わらず揚げ足取りだけは上手いな・・・」と呆れてしまった貴方からのコメント・メール・お誘いを切にお待ちしている。
*「人気ブログランキング」における順位は、このブログのつまらなさを日時計の如く正確に反映している模様です・・・。というわけで、実はお家に日時計をお持ちの貴方も、筆者と同じく「腕日時計」が欲しくなった貴方も、以下のバナーをクリックしていただかないと、筆者が貴方を正確に計測します。太陽光のもと、虫眼鏡も使ってじっくりと。