【鶴亀算に意義はあるのか?】
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お題は「鶴亀算」である。
筆者が初期のパソコンで「鶴亀算一発計算プログラム」を作ったことは既に述べた。ところで読者の皆さん、鶴亀算を覚えておられるであろうか?今でも小学生に教えているのであろうか??
鶴亀算とはこういう問題である。
「鶴と亀が合計で17匹いました。足の数は合計で50本でした。さて、鶴が何匹、亀が何匹いたのでしょう?」
すれっからしの大人になってしまった現在、この問題は連立方程式でも組めば計算できる。鶴がx匹、亀がy匹いたとすると合計で17匹だから
x+y=17・・・①
鶴の足は2本、亀の足は4本であるから、足の合計が50本ということは
2x+4y=50・・・②
この連立方程式を解けば答えが出るわけであるが、方程式の概念がない小学生にとってはこれが難問なのである。
実は上の連立方程式の解法と全く同じ計算法なのであるが、以下のように考えると小学生にも?わかりやすい。
今17匹の動物が一斉に足を2本ずつ引っ込めたとしよう。すると足の数は17×2=34本減ることになる。足の数は50-34=16本になってしまう。
さて、鶴が足を2本引っ込めた場合、鶴の足はもはや残っていない。この16本は亀の足が2本ずつ残っているだけなのだ。というわけで、16÷2=8匹が亀の匹数となる。よって鶴の匹数は17-8=9匹である。実は筆者が作ったプログラムもこれを応用したに過ぎないのだ。
…さて、ここからは妄想である。
この鶴亀算、果たして実用的なのか?だいたい問題の設定に無理がありはしないか??
現実に鶴と亀が一緒にいる現場も想像しがたいが、これは百歩譲って仮にあったとしよう。さて、実際にこの現場で鶴と亀の匹数を数えるとしよう。いったい誰がまず頭の数と足の数を数えてそこからそれぞれの匹数を計算しようとするであろうか。鶴と亀が足の数以外はそっくりだとすれば理解できないこともないが、如何におめでたい動物同士とはいえ、鶴と亀の区別くらいは誰にでも付く。こんなややこしい計算をしなくても、鶴は鶴で、亀は亀で、それぞれ別々に数えれば済むだけの話ではないか。
つまりだ。この問題、現実的には全く意味がないといっても過言ではないのだ。この問題、ただひたすらおめでたい事に意味があるのである。何と言っても鶴と亀だ。両方あわせれば11,000年は生きるのである。
少々無理はあるが、以下のように問題を変えたほうがまだ実際に役立ちそうではないか。
「ここにタイヤが50個あります。これを使って二輪車と四輪車を合計17台作りたいのですが、タイヤが余らないようにするためにはそれぞれ何台の二輪車と四輪車を作ればよいでしょう?」
「あなたは500円玉を1つ持っています。みかんは1個20円、りんごは1個40円です。これらを合計で17個、おつりがないように買うにはみかんとりんごを何個ずつ買えばよいでしょう?」
…算数や数学などは人生の役に立たないことが多い、と人は言う。筆者も同感である。かと言って、筆者はそのような算数や数学の教育が不必要であるとは思わない。あれは頭の体操なのだ。論理的な思考の訓練なのである。あらゆる科学的思考に必要な論理性を訓練しているのである。
本日は脱線も甚だしいが、週明けの明日からはまたまた「驚愕の趣味歴」シリーズは続くのだ。おかしな趣味が目白押しなのだ。たとえ嫌でも、明日からも我慢して読んでくれ。お願いだ。