【”お正月”といえばこの食べ物】
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単なる”スイス在住日本人オヤジの自炊記録”に成り下がってしまったこのコーナーだが、今回は「インスタント袋麺」の紹介でも「唐揚げ狂の詩」のサブコーナーでもない。時既に遅し、かもしれないのだが、ここらでようやくお正月っぽい話題を提供してみたいのだ。そう、スイスに来てからも毎年お正月には忘れずに喰っている「ある食べ物」を紹介してみたいのである。
その食い物・料理とは・・・
・・・記憶力のいい昔からの読者の方は覚えておられるかもしれないが、このきな粉餅、過去にも一度この記事で披露したことがある。でもなんというか、あの頃筆者は初心だった。妙なプライドや虚栄心がちょこっと残っていた。作り方はともかく、出来栄えだけは綺麗に皿になんか盛ったりして、ヴィジュアル的に少しでもよく見せようとしていた。そこで今回は、筆者が作っているきな粉餅のありのままの姿を正直に伝えてみたい。
用意すべき材料はシンプルに以下の通りである。
1.もちろん餅・・・今回も年末にこれらの材料を日本から送ってもらった筆者は、何の迷いもなく作ることができたのだ。
2.大量のきな粉
3.大量の砂糖
さて、実際の調理だが、まずは大きめのタッパを用意しておきたい。ここにまず・・・
・・・更に甘みをプラスするために、ここに砂糖を投入する。甘さはお好み次第だが。筆者の経験だときな粉と砂糖の比率は2:1から1:1くらいがよろしい。この大量のきな粉と砂糖をよく馴染むようにかき混ぜるのだ。
・・・これで下準備は完了である。あとは餅を茹でるだけだ。そしてこの茹で方こそが最大のポイントなのである。
しばらく熱湯で餅を煮ていると・・・
・・・このように若干膨らんだ餅たちが浮いてくるが、この程度の茹で方で満足してはいけない。ここからは箸で掴みあげて随時チェックするのだ。箸で挟んだところが凹むくらいではまだまだだ。掴みあげたときに餅が自重でだらしなく伸びてしまうくらいがよろしい。もっと言うと、もはや最初の形がなくなり、餅としての存在意義が問われる寸前まで茹でるのがベストだ。これくらいの方がとにかく餅にきな粉が絡む。そう、この茹での最大のポイントは・・・
「同じ体積の餅に、どれだけ大量のきな粉を絡ませられるか」
・・・にあるのだから。
そんなわけなので、餅は決して焼いてはいけない。表面を硬くしてどうする。きな粉がひっつきにくくなるではないか。「ヤキモチ」などという感情は忘れつつある筆者、焼き餅は基本的に好きではないのだ。
そういえば嫉妬や妬みの感情のことを「やきもち」、そして嫉妬することを「やきもちを焼く」などと表現してしまうが、これはちょっとヘンである。これでは「二度焼き」になってしまうではないか。「馬から落馬する」よりもおかしい。では嫉妬することを単に「餅を焼く」と表現すればいいのかというと、これもなんかヘンだ。
また、嫉妬している人を諌めるのに「やきもち焼くなって」という表現も多用されるが、これはある意味正しい。一度焼いた餅をもう1度焼くなどとは愚の骨頂だからである。
・・・などとアホなことを考えていれば、餅も充分に茹であがっている。あとはこれを熱湯から慎重に取り出して、大量のきな粉が眠るタッパに移せば出来上がりなのだ。
・・・前回紹介したときにはこれをわざわざお皿に移したりしたが、実際はそんな面倒くさいことなどせずにこのままいただくのである。餅はかなり伸びるから、伸びた部分にも満遍なくきな粉を付けることを忘れずに。こうなると餅を喰っているのかきな粉を喰っているのか砂糖を喰っているのか分からない状態になるが、これが美味いのだ。
まぶしきれずに残ったきな粉は、タッパの蓋を閉めて冷蔵庫で保存しておけばよろしい。そうすれば次回も使える。こういうときにタッパは便利である。ちなみに今年は2回きな粉餅を喰って餅はなくなったのだが、きな粉だけはまだ残っている。まぁ、また餅を買ってきてもいいし、何かべつのものに振りかけて喰ってもよろしい。
このきな粉餅、美味いだけでなくてスリルもある。筆者など毎年「今年こそは喉に詰まらせるかも・・・」とビビりながら喰っている。筆者が実名でマスコミを賑わす(?)とすれば、それは間違いなくお正月である。そういえば、柔らかすぎる餅と硬い餅では、どちらの方が喉に詰まりやすいのだろうか?
・・・このブログの文章も餅と一緒でやたらにノビノビで絡むな・・・と思ってしまった貴方からのコメント・メール・お誘い・プレゼントなどを切にお待ちしている。
*「人気ブログランキング」におけるこのブログの順位も、自重でどんどん下がっている模様・・・。というわけで、今年も餅を食べすぎた貴方も、きな粉フリークを自称している貴方も、以下のバナーをクリックしていただかないと、筆者も貴方を茹でて(?)のぼせ上がらせます。え?「そんなん無理無理・・・」って??